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寺子屋の現状

寺子屋の現状

ミャンマーの中部にあるマンダレー市。イギリスに植民地化されるまで、最後の王朝であったマンダレー市は人口100万人のミャンマー第二の都市で、 人口の5分の1(約20万人)を僧侶が占めていることで有名な都市です。市内には数多くの僧院が存在し、早朝には托鉢に出かける僧侶の行列が市内のいたる ところで見ることができます。

もうひとつマンダレー市の特徴としては、僧院が運営する寺子屋小学校や中学校がたくさんあることで、その数は実に300校にもなります。寺子屋小学校や中 学校とは、貧困層が居住する地域内にあるお寺で小学生や中学生に勉強を教える場所です。昔、日本にもあった寺子屋と同じようなものといえます。ミャンマー の寺子屋では、公立学校の教科書と全く同じのを使っているので、各地の寺子屋は政府に小学校・中学校として認定され、寺子屋を卒業した学生は通常の公立小 学校・中学校卒業生と同じく公立中学校・高校に進学することも可能になります。

ミャ ンマーには古くから寺子屋教育伝統文化が存在し、また歴代政府がミャンマー語の普及に務めてきたため、識学率は約80%と開発途上国の中では高水準です。 ミャンマーの学校はすべてが公立校で、1年間の幼稚園課程を含む小学校が5年間、中学校が4年間、高校が2年間、大学が4年から8年間となっていて、義務 教育制度ではありません。公立校のため学費はないに等しいですが机や椅子代、制服代、その他寄付金等が必要になります。また学校は朝9時から午後3時まで の学校が多いので、お弁当(ミャンマーで派給食制度がない)も必要になります。貧しい家庭の中にはその代金を払えない、毎日のお弁当を作れないから公立の 学校に行けない子供がたくさんいます。寺小屋小学校・中学校は学費やその他の費用がかからない上、寄付者から教科書、ノートや鉛筆などの文具も配布される こともあるので、両親の経済難で普通の公立学校に通えない子供たちが寺子屋に通い、初等・中等教育を受けることができるようになっています。また、寺子屋 の生徒の中には、仏教徒の生徒以外に異教徒であるクリスト教徒やイスラム教徒もいて、ボランティア先生の中にも異教徒がいることは珍しいことではありませ ん。

寺 子屋学校は朝8時から11時ころまで授業を行ない、11時から午後1時までが昼休み時間(通常の公立学校の昼休み時間は30分~45分)になります。昼休 み時間帯に子供たちは家に戻って、日雇い労働者の両親が午前中のアルバイト代で買ってきたお米でご飯を作り、わずかなおかずと一緒に昼ごはんを食べます。 彼らの両親は、彼らが登校する朝8時にはお米を買うお金がなく、午前中働いてもらってきたお金で昼ごはんを作るため、子供たちは寺子屋学校にはお弁当を 持っていけません。そのため、昼ご飯を食べに昼休み時間に家に一度戻らなくてはいけないので、通常の学校よりも昼休み時間を長く設定しています。また、小 学校高学年になると、自分より年下の兄弟の育児や家事の手伝い等で、昼以後は学校に戻れない子供たちもたくさんいます。もし、寺子屋で給食制度を取り入れ られたら、学生の登校率がもっと上がり、進学率ももっと上がってくるのに違いありませんが、現実は厳しいです。なぜなら、これらの寺子屋は学校としての機 能が不十分な設備や建物が多く、場合によっては僧侶が生活する場所の一部分を教室としているところもあります。寺子屋の運営費は、僧侶がお布施や寄付金を 集めて運営しています。先生は僧侶が中心で、ボランティアの一般人もいますが、給料は支払えない状態です。寺子屋の維持だけでもままならない現状では、給 食制度を取り入れることはほとんど不可能に近いといえます。

5 寺小屋で教えているのは初等・中等教育だけではなく、ヤンゴン市には英語、日本語、フランス語等外国語を教えている寺子屋もあります。その学校では、ヤン ゴン駐在の外交官やその家族、ビジネスマン、短期滞在の旅行者など様々なネイティブの方がボランティアで教えているので、ヤンゴン市内の高校生や大学生が たくさん通っています。実用会話中心のコースの内容も充実していて、修了生はヤンゴン外国語大卒行生に負けないくらいレベルが高いと評価され、観光ガイド からビジネス通訳まで幅広く活動しています。外国語のコースも無料のものが多く、日本語コースが大変人気になっています。

ミャンマーの伝統文化教育である寺子屋教育は、今後も維持されていくでしょうし、その教育を受けた子供たちが、ミャンマーの将来を担う「希望の星」の大人になっていくようにがんばってほしいと、心の底から願っています。 そのため、GMIはNPOとして創立以来、この寺子屋をいかにサポートできるかを考えそして実行してきました。これからもよりよい方法を模索しながら寺子屋と関わっていきます。